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2017年9月19日 (火)

033 薬剤部会議 【やくざいぶ-かいぎ】

 あればあったで面倒だし、無ければ無いで困るのが「会議」である。薬剤師の世界でもいろいろな会議が存在する。かくいう私も幾度となく会議には出席している。ドラッグストア時代であれば、本部の人間と店長が頭を突き合わせる販促会議、病院薬剤師であれば薬剤部の方針を決める役職者会議、あまりいいことではないがミスや不始末の首謀を突き止める弾劾会議のようなもの。

 その中でも私にとって最も無意味な会議が、数年前にあった。

 その頃の薬剤部は、保守派と改新派の意見が入り乱れ、統率が取れていなかった(今がしっかりしているという意味ではない)。意見をぶつけ合う場もなく、声の大きい者が主導権を握る、そんな時代があった。

 そこに一石を投じた人物がいる。A科長である。

 A科長は定期的な薬剤部会議の開催を提唱し、それは実現された。議題ならいくらでもあった。まずは斑分けから始まり、業務の効率化、内規の見直し、勉強会のやり方について。毎回議案を提出し、議事録をまとめ、日々の業務に反映する。定例会議は軌道に乗り始めた――ように思えた。

 やがて一部の反対派が、A科長の言うこと成すことに文句を言うようになった。意見ではない。文句である。どこがどう反対なのかを言うわけでもなく、代替案を言うわけでもない。ただ定例会議の決定事項に「俺は従わない」と声高らかに宣言する。

 そんなヤツ、無視してしまえばいい、と思うかもしれない。

 それができない職場もあるのだ。皆で宥めるが止まらない。延々と1時間でも反対であることを押し通す。そのうち皆疲れ果て、うやむやのまま会議は終わる。代替案は無いから、結局白紙に戻るだけだ。無理やり押し進めてもいいのだが、ルールを守らない人が一人でもいると結局、薬剤部の秩序やモチベーションに関わってくる。

 そしてある日、事件は起こる。

「こんな会議やめようぜ」と件の問題児、B氏は宣言する。既にその日の議題について皆意見を述べている最中である。「やっても意味ねぇじゃん」

 会議を意味の無いものにしているのがまさにB氏なのだが、本人はそんなことおかまいなしである。「じゃあ意味のある会議ってなに?」と返しても「そんなのA科長が決めろよ」と上から目線。「だから、A科長が決めてるのが今の会議なんでしょ」と説くと、「それが意味ねぇんだよ」と堂々巡り。

 やがて次回の議題が決まる。

<定例会議を続けていくかどうか>

 つまり、会議をやるかやめるかの会議をするわけである。馬鹿馬鹿しくてたまらない。

 そしてこれには後日談がある。恐ろしいことに、かのB氏が現在、薬剤部のトップである。この疑心暗鬼に満ちた暴君の話は、また後述することにしよう。

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